ROEの意味と考え方:株式投資をするなら知っておきたい指標

株式投資の際、皆さんはどのような基準で企業を選んでいるであろうか?

 

個別銘柄の選定基準の一つにROEと言うものがある。これは当期純利益÷株主資本で求められ、企業が資本からどれだけ利益を生み出したかを表す指標である。

 

株主資本とは企業の総資産-総負債で計算されるものであり、文字通り持ち主は株主である。具体的には企業が倒産した場合に株数に応じて株主に分配される資本である。

 

ROEが高い企業ほど株価上昇もしくは増配を期待できる。以下にその理由を述べていく。

 

企業の利益の用途は主に二つある。内部留保と配当金だ。

 

配当金は株数に応じて定期的に株主に支払われるものである。

 

内部留保は、設備投資や研究開発など、企業が更なる利益を挙げるために用いられるものである。

 

どちらも株主に報いるための用途であるが、性質は異なる。配当金は株主の利益を確定させるが企業価値の向上にはならない。一方、内部留保は企業の更なる利益増加を通して企業価値を上げる。これは多くの場合で株価の上昇に繋がる。そして高いROEを持つ企業程、内部留保した利益をより上手く使える。

 

以上の理由より、ROEが高い企業であれば、例え配当金が少なくても、内部留保から更なる利益を生み出し、株価の上昇が期待できる。突き詰めれば、無配当でも良いかもしれない。米国企業の代表的な4社GAFAの内、apple以外のgoogle, facebook, amazonは無配当である。配当金は利益が確定するために税金が課されることを考慮すると、税金が課されない無配当株への投資は合理的とも言える。

 

また、配当がある企業でもROEが高ければ、利益に対する配当金の割合(配当性向)が低いことが多い。その余裕から、増配が期待される。

 

無配当か増配かは投資家によって好みが別れるけれども、どのみち投資する企業を検討する際にはROEは必ず調べるべき項目でしょう。